色の旅 [北海道]
東京から飛行機で約2時間。レンタカーで巡る、北海道の旅をご紹介。
さまざまな色で満ち溢れた大地、「色」の旅。
東京の9月下旬は、ところどころ暑さが残る。しかもまだまだ猛暑な日も。
しかし、北の国に飛行機で降り立つと、さらっとした冷たい空気が迎え入れてくれた。
今回巡ったのは、札幌・富良野・登別。
そこでみたのは、自然界が作り出す「色」だけでなく、その土地の文化が作り出す「色」。
北海道が作り出す色で満ち溢れた旅を回想してゆく。
富良野の広大な大地に身を委ねる
鮨の魚政
北海道に到着して、まず最初に口にしたかったのがお鮨。
美味しい海の幸で有名な北海道で食べるお鮨はどんなかろうと期待を込めた一口。
職人さんの技術も相まって、口いっぱいに幸せひろがる一口だった。
ファーム冨田
まず目に飛び込んでくるのは美しく整えられた草花。
秋のラベンダー畑は、オフシーズンだというが、そうとは思わないほど華やかな空間が広がっている。
爽やかなラベンダーソフトクリームが絶品だった。
四季彩の丘
広すぎる空と、広すぎる大地は360度どこを見渡しても美しく、ここに来てよかったと思わせてくれる。
見慣れないトラクターで移動できたりと、ちょっとしたアクティビティも充実しており、どんな人と来ても楽しめる空間だった。実はアルパカにも会えるらしい。
MASAJIN 富良野店
北海道の目的2つ目。「ジンギスカンを食べたい」。
そんな夢を、期待を上回る形で叶えてくれたのが、こちらのお店。
新鮮なラムだからこそ、レアで食べれる贅沢。ラムのソーセージも大感動だった。
Fenix West
部屋の一面が窓でテラスがついた部屋。夜の空気も、朝の光もたっぷり取り込むことのできる贅沢が、このホテルの最大の魅力である。音楽や家具、アメニティーも含め、設計者の細かなこだわりを随所に感じることができ、「ホテルを楽しむ時間」を作って宿泊することをおすすめしたい。
十勝岳 望岳台
星、常にわたしたちの頭上にあるはずのもの。普段は見ることができないが、しっかりと場所を選べば天の川ですら肉眼で見ることができる。
ここ十勝岳は、周囲に光源が少なく、街も離れているため、満点の星空を見やすい。光害マップや周囲の環境から割り出した、知る人ぞ知る秘密のスポット。
富良野から札幌の街並みを楽しむ
野良窯 カフェノラ
古民家の雰囲気が残るこの喫茶店は、街中のカフェとはひとあじ異なる空気感を感じることができる。北海道らしい定食メニューがずらりと並び、いただいたラム肉のキーマカレー、スープカレーは絶品だった。
珈琲 森の時計
深い森の中を歩いてたどり着くのがこちらのカフェ。木製窓から切り取られる景色は木々で青々としており、どこか懐かしい記憶が蘇る。香り高いコーヒー豆を自分で挽くことできるようで、最高の1杯を楽しむには十分すぎる空間だった。
白金青い池
「エメラルド」という色を、実際に見たことがあるだろうか?
海や空の青とは違う、まさにエメラルドの輝きを放つこの池は神秘的という言葉がとても合う。
青い池、そこはもはや有名になりすぎて、さまざまな人が気軽に立ち寄っている。私自身2度目の来訪であったが、相変わらず不思議な色を漂わせていた。また、池の隣には色素が流れ出した川があることに気づいた。青い川、こちらもついでに見ておくと良いだろう。
The Royal Park Canvas
北海道の大自然を感じた後は、ドライブで市街地へ向かう。
コンパクトでありながら、夜の時間の新しい楽しみ方を提案してくれたのがこちらのホテル。
ひとつひとつの部屋に良質なスピーカーとレコードが置いてあり、お気に入りの音楽を楽しむことができる。
さらに、2Fのロビーではゆらゆら揺れる火を囲って旅の会話を楽しむことができ、屋上では焚き火を囲んで軽いBBQを楽しむことができる。屋上から覗く夜景、札幌のTVタワーは夜景に強くきらめいていた。
とても素敵なホテルだった。
異世界空間を味わう
近くの【のぼりべつ酪農館】には絶品アイスクリームが。ここまで来たらぜひ訪れてみてほしい。
頭大仏殿
頭大仏殿があるのは真駒内滝野霊園。霊園に入る門自体がそもそもが不思議な入り口をしており、車で訪れたその瞬間から多様な宗教観に囲まれている混沌な空間であった。その中でも頭大仏殿はまさに頭一つでた雰囲気を持っており、その空間はある種の別世界を意識した。
建築家は現代建築家の安藤忠雄。随所に並外れた建造物の特徴が見られる。
本殿に入る前に水が貼ってある空間がある。この空間があることによって、自らの感覚が研ぎ澄まされるようだった。水は降雪期間には張っていない場合があるとのこと。この時期ならではだ。
なぜかモアイ像も立ち並ぶ。ストーンヘンジもある。まさに混沌。ぜひ自らの目で確かめてみてほしい。
登別地獄谷
天国のような真駒内滝野霊園から南に向かうと、今度は地獄のような光景が広がる。
立ち上る蒸気、広大な空間の割に草が生えていない谷々、周囲に広がる腐卵臭。およそ日常とはかけ離れた雰囲気が、否が応でも死を思い起こさせる。
のぼりべつ酪農館
少し離れた箇所に廃校をリニューアルして運営している牧場がある。地獄をみて口がカラカラになった後はまた絶品なソフトクリームをお勧めする。
ダン・ドゥ・リヨン
一通り登別周辺を巡った後は、千歳空港に向かうとする。一つだけやり残したことがある。それはジビエ料理の経験だ。
やはり北海道、そこは北海道、これを逃すわけにはいかない。
訪れたのは「ダン・ドゥ・リヨン」。まさに熊のような店主が熊の写真を見せてくれながら、鹿や熊、鴨などの都内では探すのが難しい肉料理を振る舞ってくれる。
どうやら地元に愛されている様子で、店内は店主と客の和気藹々としたジビエトークに沸いていた。
帰路へ
普段は東京都内で暮らす筆者。
人が生み出す新しい「いろ」に、触れやすい環境にあると思う。
北海道で触れたのは、自然が生み出したさまざまな「いろ」。
その「いろ」はとても流動的で儚く、美しかった。