透明な旅 [新潟県越後湯沢]
東京から車で4時間、到着したのは越後湯沢。
アルプス山脈の迫力と穏やかな日本海を求めて車を走らせる。
澄み切った空気が写し出す「透明」な旅。
迎え入れてくれたのは、視界一面に広がるアルプス山脈。
雪を被った山々は空との境界線が曖昧になり、本当にそこに存在しているのかわからなくなる。
周りの景色を余すとこなく反射する水面は、現実世界と映し出された世界の2つの世界を連想させ、私たちが生きる世界は1つだけではないかもしれないとも思わせる。
本当にそこに地面があるのか、もしかしたら空を映し出す終わりのない空洞なのか、
澄み切った空気がものの存在を曖昧にさせる。
越後湯沢の透明な空気をたっぷり感じた旅を回想してゆく。
7:00 東京から東北自動車道で、越後湯沢へ
妻有で育つ木
鳥たちの家
暖かいイメージのために-信濃川
大地の芸術祭巡り
信濃川の下流は川の幅が広く、水が流れがゆったりして見える。菜の花の揺らぎを眺めていると、この季節にここに来れてよかったと思わせてくれる。
信濃川の近くには、大地の芸術祭の作品が3つあり、すべて徒歩で巡ることができる。
そこにあった現代アートは、広大な自然にすっと溶け込んでおり、この土地に存在感を示していた。
大地の芸術祭とは
信濃川の展望地
美しい景色に圧倒されながらドライブをしていると、つい車を停めたくなった。
越後湯沢の自然を一望できる橋の上あたりで車を停めると、そこには「信濃川の展望地」と名付けられた看板が置いてあった。きっとどんな人でも思わず、車をとめてゆっくりと風を感じながら眺めていたくなるんだろう。
竜ヶ窪
今回の旅の目的地の1つである竜ヶ窪。実際に足を運ぶと検索結果からは想像もできなかった美しく繊細な景色が広がっていた。
竜ヶ窪に辿り着くまでの道は、木漏れ日に満たされた空間。植物のひしひしとした生命を感じる、凛とした空気が流れていた。
星峠の棚田
日が傾き始める時間をめがけて向かったのが星峠の棚田。この地に暮らす人が、丁寧に手をかけて育んだ景色がそこにはあった。刻々と変化する空の色合いをそのまま反射した棚田は、別世界への入口のようにも思えた。
食家 あさくさ
そろそろお腹のすく時間。せっかく新潟に来たので、炊き立てのお米を食べたく、釜飯のお店に訪れた。名産と言われるだけある、艶やかな米の煌めきにお腹も心も満たされた。
船見公園
2日目は、日本海を求めて車を走らせる。
そびえ立つアルプス山脈と視界いっぱいに広がる砂浜が、新潟らしさを感じさせてくれた。
広大に広がる青空と元気なタンポポに心癒された。
道の駅 うみてらす名立
旅の締めくくりは道の駅。透明感あふれる日本海の水面に初夏の太陽がきらりと反射し、この景色を目に焼き付けて帰ろうとただただうっとり眺めて過ごした。
帰宅してからのお楽しみ、ちょっとしたお土産を買って帰路へ。新潟の美味しいお米から作られた日本酒と海鮮が美味しかった。
帰路へ
新潟の澄み切った空気をたっぷり体に取り入れると、日常をすこし俯瞰してながめたくなる。
都会に住んでいてわすれていた、自然、素であることの美しさを再度認識できた旅だった。